現在の栄養学は、明らかに、多くの人に理解できない。そのわけは栄養素とカロリー(熱量素)という言葉の定義の不透明さにある。
カロリーは栄養素ではないのか?「生活習慣病を予防するために、カロリーを控え、しっかり栄養素を摂りましょう」この言い方は正しいだろうか?
では、五大栄養素とは、炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラル、炭水化物と脂肪はカロリーとして大部分は消費される。つまり、炭水化物、脂肪はカロリーの源であり、立派な栄養素である。
あるメディアが「糖尿病は、栄養素を摂り過ぎて起こる病気、肝臓病は、栄養素が足りなくて起こる病気である」と云う、では糖尿病と肝臓病とは、栄養素の摂り過ぎと不足という正反対の条件で起こる病気であるから、併発することはないはずである、現実には糖尿病と肝臓病を併発している人は数多くいる。
なぜなのか?言葉の定義として、栄養素の一つがカロリーであり、カロリーは栄養素の一部である、ただ、カロリーに対応する栄養学的言葉が存在しないだけである。カロリーに対比する言葉として「保全素」という言葉を使うと、栄養学を正しくすっきりと、多くの人に伝えることができる。
「糖尿病も肝臓病も保全素が不足して、新陳代謝が正常に起こらないことで発症する病気である。糖尿病の場合はカロリーの摂り過ぎも、原因の一つであるが、肝臓病の中でも脂肪肝は、糖尿病と同様カロリーの摂り過ぎが原因の一つとなる。」
つまり、「保全素」とは身体を作るために、身体の新陳代謝のために使われる栄養素であり、タンパク質はカロリーとして使われることはあるが、ほとんどカロリーとしては使われない。
一言で表現すると、生活習慣病は、カロリーの摂り過ぎ、保全素の不足で起こる。解決方法は、カロリーを控え、保全素をバランスよく摂ることに尽きる。
次に、栄養素の中に、水と植物繊維を加えると、簡単に栄養学全体が見通せる。水は、物質を溶かす保全素としてとらえ、植物繊維は、有害物質等を吸収させないための栄養素ととらえる。
このように考えると、現在の健康補助食品が、どの範疇に入り、どの目的かも良くわかる。水自体が新陳代謝に関わり、栄養素の中の保全素の一つとして、健康に大きく関わることも認識できる。
もう一つ、違った方向から、栄養学を考えてみる。
生命誕生から、考えると、生命が海から誕生したとするならば、海の成分が生きるためには一番大切であると考えられる。つまり、ミネラルが一番大切な栄養素である。ある学者は「ビタミンが不足すると病気になる、ミネラルが不足すると命がなくなる」と云った。
次に大切な栄養素がビタミン、次が有機化合物(多糖類)、異種タンパクと続く。従来の栄養素の分け方とは少し違うが、有機化合物を炭水化物、脂質と考え、異種タンパクは、タンパク質と考える。