人間も動物の一つの種に過ぎない、動物とは動く物と書き、動けることが特徴である。つまり、生きているとは、刺激に対して筋肉が動くことであり、筋肉の動き方で健康を推し量れ、健康全体を考えることができる。分かり安く云えば、筋肉の異常は、コリ痛みである。
 人間の筋肉には大きく分けて二種類あり、骨格筋と平滑筋である。
1:骨格筋
  骨格筋は手を上げようと思えば上げられるように、自分の意志でコントロールできる体性神経という
  神経で支配されていて、自分の意志で動かせることができる筋肉である。
2:平滑筋
  平滑筋は、心臓の鼓動が速い時、自分で遅く出来ない様に、自分の意志ではコントロールできない自
     律神経という神経で支配されていて、自分の意志では思い通りにならない筋肉である。よく耳にする
     自律神経失調症とは、この神経系によってもたらされる、だから、自分の思い通りにならない厄介な 
     病気なのである。
 この二つの筋肉の中で、自分自身で健康を管理する道具としては、 自分の意志でコントロールできる骨格筋を利用するしかない。この骨格筋の利用こそが、現代医学で忘れられている要素である。なぜなら、こころの病が異常に増え、なかなか治らない現状において、こころに骨格筋の一つである表情筋が密接に関係し、表情筋の利用がこころの病に大いなる影響を与えるものと推測できる。「こころが緊張、動揺等し不安定になるのは、こころが緊張して不安定になるのではなく、骨格筋の緊張した状態が、こころを不安定にするのである。」つまり、原因は骨格筋の緊張にある。
 この理論を追加することで、現代社会における、こころの病の解決方法は進歩するはずである。このように、骨格筋を緊張から解放することで、こころを頑なにし、こころが沈んでいる鬱にしても、開放に向かうはずである。
 そして、骨格筋の中でも、顔の表情筋がこころとは最も深い関係にある。だから、こころの緊張を取り除き、身体全体をリラックスさせる最も有効な手段は笑うことになる。
 「笑う門には福来たる」良いことがあるから笑うのではなく、笑っていると良いことが起こるよ、と云う格言である。
 現代のストレス社会において、重要な自分で出来る健康法は、骨格筋の緊張除去、骨格筋をほどほどに使い、弱らせないように鍛練することである。
 
 また、少し見方を変えて、動物の進化から、骨格筋の変化を追ってみると

1:この世に誕生し、数か月で「首がすわる」と表現する。この時の首の骨の変化は、筋肉によって首の骨
 が前へ湾曲する。この状態が、動物と同じ四足歩行が可能な首の状態である。

2:一年前後で立って、二足歩行が出来るようになる。この時の骨の変化は腰の骨が筋肉の働きによって
 、前に湾曲するのである。このことで安定して二足歩行が可能となる。
  
 このように、誕生して、ハイハイから、二足歩行が出来るようになるまで、首と腰の筋肉の働きによって、二度大きく骨を動かしているのである。この人間だけが獲得した二足歩行によって、頭蓋骨の後ろ側が薄くなり、脳を大きく出来るようになった。そして霊長類のトップとなり得た。
 しかし、二足歩行により、腰骨の一番下と、首の骨の一番上に、重力がかかり、故障しやすくなった。